大阪市には浪速の渡しとして八つの市営無料渡船がある、この渡船めぐりに行ってみようということで出かけることにした。 関東に映画「男はつらいよ」で有名な矢切の渡しがあるが大阪や各都市にも埋め立て地や川向いに船舶の航行で橋を通すことが出来ない地域があり、その橋の代わりに市区町村が人々の通行として無料の船(渡船)を運航している。 今回はその渡船が大阪市此花区・港区・大正区・住之江区・西成区・西区に跨って八つあり、その八つの渡船を歩きで回って見ようと、そのすべてを走破する距離は約20km、山と違って市街地や車道を歩くため自動車等の通行に細心の注意を払いながら歩くため所要時間がつかめないが、同行の二人が17時頃には帰宅できるような歩きが出来るように考え自宅を8時20分に出る。 JR大阪駅から桜島駅へ、駅からまず最初の渡船場である天保山渡船場へ、此花区の天保山乗船場(10:00発)から安治川を渡って港区の天保山乗船場へ渡り、日本で一番低い山として知られている天保山に登り、日本の山で一番低い山の山頂に埋石されている二等三角点を探し、写真に収めると休憩を採るも惜しんで次の目的地である甚兵衛渡しへと急ぐ。
今回の渡し船めぐりの中で、渡しから渡しへの歩行距離で一番長い距離(約7k)だ、地図を確認しながら進んでも市街地では地図に無い枝道が縦横にあり、迷うたび地元の方に尋ね、約一時間かかって甚兵衛渡船場に着く。(11:15分発)
今回の歩行距離の中で一番近い次への千歳渡船場へ、渡船場に着くと船は出たところで10分ほど待つ間大阪港の風景を楽しむ(11:45分発)
次の渡船場は船町渡船場だ、地図で確かめると距離的には二番目に近い距離だ、船に乗るまで充分な休憩を採っているとは言え最初の7kが堪えたのか、歩みがやや緩やかになったのか船着場着くと船がタッチの差で対岸に向かっている、20分ほど待って(12:20分発)に乗り込む。
対岸に渡り終えて地図を確認すると、次の木津川渡船場までは二番目に短い距離だ、先ほど乗り遅れたので今回は乗り遅れないようにと時間を確認してやや早めに歩いたが、またも出港したあとで13分ほど待つことに、お昼も回ってお腹が空いてきたが、昼食は市街地の食堂でと弁当は持ってきていない、お菓子を食べながら船を待ち(12:45分発)の船で対岸へ。
対岸に渡り終えて次の渡し場である千本松渡船場までは二番目に長い距離だ、千本松に向かって歩き始めたが、何故か今まであっちこっちあった食堂やコンビニがこちらには無い、おまけに地図の見間違いで道を間違えて余分に歩きすぎ、バス道に出たところで「この辺りに食堂は」と尋ねるも「無い、地下鉄の駅まで行けばあるが」との返事で、またも千本松渡船場へは迂回していくことに、13時半にやっと昼食にありつけ千本松渡船場に向かう途中、加賀屋天満宮(菅原道真を祭っている)の前を通りやっと渡船場着くと、船が対岸から向かってきている、待つことなしに(14:30分発)の船で対岸へ
次の渡船場である落合下渡船場まで地図では三番目に長い一本道を示していたが、歩き始めると20分もかかった、距離にすると約2kの道程だ、山歩きに慣れている足はやはりアスファルトには向いていない、この辺りで誰にも言わなかったが右足に豆が出来たようだ、少しの痛みの中で(15:00分発)の船に乗車
落合下渡船場を下りると、今度は落合上渡船場だ、落合上渡船場は同じ木津川の上流1kの所にある、今回の渡しめぐりで一番短い距離だ、痛みを忘れるように最後の渡しへと急ぐが道路の海側は砕石置き場で、道路に流れ出た砕石が車が通るたび砂埃を巻き上げ、顔にハンケチを当てて落合上渡船場入り口に逃げ込む、ここもあまり待つことなしに(15:15分発)の船に乗り込み、今日最後の渡しを楽しむ。
対岸に渡っても今までの渡しを惜しむかのようにシャッターを切る、八つの渡しを巡ってきたが、歩いた距離は約20kmに及ぶが船に乗っていた時間は八つ合わせて8分、一つの渡し時間は1分で、両岸に記されている渡し時間は何処も同じ時間、渡り終えると「さて何処の駅へ」と思案しながら約2kの道程をJR芦原駅へ。芦原駅に15:55分に着き、同行二人とも17時には家に帰り着けると思うが、私は所用で同行者二人と別れ21時前に帰路に着く。 追伸 私たちが訪れた二日後にNHKが港区から大正区の渡しを放映していた(2012・01・27)
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